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LXD 4.13 リリースのお知らせ ¶

10th of April 2021

はじめに ¶

LXD チームは LXD 4.13 のリリースをお知らせできることにとてもワクワクしています!

このリリースでは、プロジェクトのリソース使用量の確認、NVIDIA MIG サポート、スナップショットのスケジュールのエイリアス、デフォルトのクラスターアーキテクチャーの指定、多数の CLI ツールの改良を含む、多数のエキサイティングな新機能が含まれています。

Enjoy!

新機能とハイライト ¶

lxc list でのインスタンスのフィルタリング ¶

lxc list で key=value 形式のフィルタとして指定できるオプションが追加されました。

• type= (コンテナ or 仮想マシン)
• status= (running, frozen, stopped or broken)
• architecture= (有効なアーキテクチャー名)
• location= (クラスターのサーバー名)
• ipv4= (アドレスまたはCIDR)
• ipv6= (アドレスまたはCIDR)

IPv6 の CIDR でフィルタリングを行っている例です:

stgraber@penguin:~$ lxc list ipv6=2001:470:b368::/48
+----------+---------+-----------------------+----------------------------------------------+-----------------+-----------+----------+
|   NAME   |  STATE  |         IPV4          |                     IPV6                     |      TYPE       | SNAPSHOTS | LOCATION |
+----------+---------+-----------------------+----------------------------------------------+-----------------+-----------+----------+
| buildd01 | RUNNING | 10.232.117.1 (lxdbr0) | 2602:fd23:8:1005:216:3eff:fe19:fd6e (enp5s0) | VIRTUAL-MACHINE | 7         | abydos   |
|          |         |                       | 2001:470:b368:4242::1 (lxdbr0)               |                 |           |          |
+----------+---------+-----------------------+----------------------------------------------+-----------------+-----------+----------+
| buildd02 | RUNNING | 10.181.173.1 (lxdbr0) | 2602:fd23:8:1005:216:3eff:fec8:841b (enp5s0) | VIRTUAL-MACHINE | 8         | langara  |
|          |         |                       | 2001:470:b368:4242::1 (lxdbr0)               |                 |           |          |
+----------+---------+-----------------------+----------------------------------------------+-----------------+-----------+----------+
| buildd03 | RUNNING | 10.232.46.1 (lxdbr0)  | 2602:fd23:8:1005:216:3eff:fe67:f919 (enp5s0) | VIRTUAL-MACHINE | 7         | orilla   |
|          |         |                       | 2001:470:b368:4242::1 (lxdbr0)               |                 |           |          |
+----------+---------+-----------------------+----------------------------------------------+-----------------+-----------+----------+

コンテナでの NVIDIA MIG サポート ¶

新しい GPU タイプとして NVIDIA Multi-Instance GPU のサポートを導入しました。
この機能をサポートするシステム上で、あらかじめ作成した MIG コンピュートインスタンスを LXD コンテナに与えられるようになりました。

これは gpu デバイスタイプで mig gputype を指定することで使えます。

lxc config device add c1 gpu0 gpu gputype=mig mig.gi=5 mig.ci=1 pci=09:00.0

この例では、アドレス 09:00.0 の GPU の　GPU インスタンス 5 のコンピュートインスタンス 1 が使われます。
関連する値はすべて、MIG インスタンスを作成したあと、nvidia-smi から見つけられます。

システムワイドなリモート設定 ¶

lxc コマンドラインツールが /etc/lxd/ を設定のソースとして見るようになりました。
ここに置かれた config.yaml はユーザー自身の設定とマージされます。

これにより、LXD のリモートに関する設定をシステムワイドに行なえます。サーバー証明書も同様に /etc/lxd/servercerts/ に置けます。

注意: この設定は snap をお使いのユーザーではまだ有効にはなりません。すぐに snap 向けの設定を行い、グローバル設定を /var/snap/lxd/common 内に置けるようにする予定です。

プロジェクトのリソース使用量の確認 ¶

リソース制限が設定されているプロジェクトでは、制限と現在のリソース消費の概要が確認できるようになりました。消費の状況は制限が設定されている場合のみ正確に表示されます。

stgraber@penguin:~$ lxc project info nsec
+------------------+-----------+---------+
|     RESOURCE     |   LIMIT   |  USAGE  |
+------------------+-----------+---------+
| CONTAINERS       | UNLIMITED | 3       |
+------------------+-----------+---------+
| CPU              | 4         | 3       |
+------------------+-----------+---------+
| DISK             | 53.69GB   | 33.29GB |
+------------------+-----------+---------+
| INSTANCES        | UNLIMITED | 3       |
+------------------+-----------+---------+
| MEMORY           | 4.29GB    | 3.22GB  |
+------------------+-----------+---------+
| NETWORKS         | 10        | 1       |
+------------------+-----------+---------+
| PROCESSES        | 100000    | 30000   |
+------------------+-----------+---------+
| VIRTUAL-MACHINES | UNLIMITED | 0       |
+------------------+-----------+---------+

スナップショットのスケジュール設定のエイリアス ¶

LXDは、インスタンスとカスタムストレージボリュームの両方について、スナップショットの自動スケジューリングをサポートしています。これはsnapshots.scheduleという設定オプションを使って設定します。

cron 形式での設定に加えて、次のエイリアスでも設定できるようになりました:

• @hourly
• @daily
• @midnight
• @weekly
• @monthly
• @annually
• @yearly

また、インスタンスの場合に限り、追加の @startup という設定が存在し、インスタンスが起動、再起動するごとにスナップショットを実行できます。

cronパターンと比較した場合のエイリアスのもう一つの利点は、それらが時間的にランダムに分散されることです。つまり、@daily はすべてのインスタンスやストレージボリュームで同時にトリガーされることはありませんが、特定のインスタンスやストレージボリュームについては同時にトリガーされます。

マルチアーキテクチャーで設定されている場合の images.default_architecture ¶

マルチアーキテクチャーのクラスターを運用している場合、特定のターゲットを指定せず、複数アーキテクチャーで使用できるイメージを使用してインスタンスを起動すると、LXD はアーキテクチャに関わらず、すべてのサーバーのうちもっともビジーでないサーバーを見つけて、そこでインスタンスを作成します。

ほとんどのマルチアーキテクチャークラスターはメインのアーキテクチャー（x86_64 であることが多い）と、メインのアーキテクチャーより容量の少ないあまり一般的ではないアーキテクチャー（aarch64, ppc64le, s390x, ...）を持っていることが多いので、これはあまり望ましい動作ではありません。ですので、LXD がこれらを等しく扱い、インスタンスを全体に分散させるだけではかなり混乱してしまいます。

新たな設定オプションである images.default_architecture には、イメージが単一アーキテクチャー固有ではない場合に使用するアーキテクチャー名を設定できます。

例えば、マルチアーキテクチャークラスターでは次のようになります:

lxc config set images.default_architecture x86_64
lxc launch images:ubuntu/20.04 c1

この例では x86_64 アーキテクチャーのインスタンスがデプロイされます。そして、次のように使うと:

lxc launch images:ubuntu/20.04/arm64 c1

明示的に aarch64 イメージを指定すると、aarch64 イメージを実行できるクラスターサーバーが選択されます（訳注: 例は arm64 になってますが、aarch64 の Ubuntu での arch が arm64 です）。

lxc project list, lxc profile list, lxc storage list の新しい DESCRIPTION カラム ¶

この変更で、ほぼすべてのトップレベルのリストコマンドで description 属性を表示するようになりました。次のようなコマンドで同じように利用できます:

• lxc profile list
• lxc image list
• lxc project list
• lxc storage list
• lxc network list

これは、lxc list ではデフォルトでは表示されません。これは横方向のスペースがないためですが、設定できるカラムの1つですので有効にもできます。

ネットワーク ACL のデフォルトアクションの処理を見直しました ¶

最近導入されたネットワーク ACL は、ACL レベルで default.action と default.logged というオプションが設定できました。これは、1つのインスタンスに多くの ACL が適用できるため、これらの設定キーを混乱させる悪い設計でした。

結果的に、この 2 つの設定キーを ACL 設定から完全に削除し、代わりにインスタンスのネットワークデバイスやネットワークを直接設定できる設定を導入しました。

新しい設定キーは次のとおりです:

• security.acls.default.egress.action
• security.acls.default.egress.logged
• security.acls.default.ingress.action
• security.acls.default.ingress.logged

また、これは内向き（ingress）と外向き（egress）の通信を分離することにより、ブロックする内向きの通信を静かに無視したまま、ブロックされた外向きのトラフィックをログに記録することが容易になります。

lxc stop コマンドの --console オプション ¶

lxc start、lxc restartに加えて、lxc stopで--consoleオプションが使えるようになりました。

これを使って、インスタンスがシャットダウンのシグナルを受け取った瞬間、インスタンスのコンソールに接続できます。
これは、シャットダウンシーケンスを観察したり、シャットダウン時のエラーを見つける際に便利です。

自動生成の REST-API ドキュメントの追加 ¶

/1.0/instancesと /1.0/storage-poolsを除くすべてが、Swagger API ファイルでカバーされるようになりました。これで LXD API とやりとりするすべてのパラメーターと方法をカバーしているはずです。

仮に出力したものがこちらにあります: https://dl.stgraber.org/swag-lxd/

すべての変更点（翻訳なし）¶

このリリースでの完全な変更点のリストは次のとおりです:

試用環境 ¶

この新しい LXD リリースは私たちの デモサービス で利用できます。

ダウンロード ¶

このリリースの tarball は ダウンロードページ から取得できます。

ビルド済みバイナリーは次のように使えます:

• Linux: snap install lxd
• MacOS: brew install lxc
• Windows: choco install lxc