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LXD 4.15 リリースのお知らせ ¶

4th of June 2021

はじめに ¶

LXD チームは LXD 4.15 のリリースをお知らせできることにとてもワクワクしています!

このリリースは、ほぼすべての人に対する新機能が含まれたエキサイティングなリリースです。
そのトップを飾る機能は間違いなく LXD の仮想マシンでネットワークインターフェースをホットアド・削除（動的に追加・削除）する機能です。これにより仮想マシンの使用感がコンテナの使用感により近づきます。
他に、様々なコマンドライン、監査機能、クラスター機能も改良されています。

Enjoy!

新機能とハイライト ¶

VM でのネットワークインターフェースのホットプラグ ¶

実行中の仮想マシンに、最大で 4 つまでのネットワークインターフェースが追加できるようになりました。
また、既存のネットワークインターフェースを実行中の仮想マシンから削除することもできます。

この機能は PCI ホットプラグ機能に依存していますので、ゲスト OS が適切にそれを処理する必要があります。

シャットダウンのタイムアウトが設定可能に ¶

新たな設定 core.shutdown_timeout は、LXD がシャットダウンを指示されたときに、既存の操作の完了を待つ時間を何分にするかが制御します。

この設定で、5 分というデフォルト値を上書きできます。長く実行されているlxc exec セッションを中断することが問題にならない環境では、この時間を短くしたり、LXD が終了する前に、すべての既存の操作を完了させたいような環境では、この時間を長くしたりできます。

新しい永続的な警告（時間のずれ、AppArmor、virtiofs） ¶

LXD 4.14 で導入した警告 API に、さらに警告を追加しました。

追加したのは:

• （ハートビートを通して行う）クラスターの時刻のずれの検出
• AppArmor サポートの不足や破損
• virtiofs サポートの不足や破損

新しい警告は適切なときに lxc warning list で表示されます。そして lxc warning ack で確認済みにできます。警告はその警告の原因がなくなったときもクリアされます（例えば時刻のずれがあるシステム上で NTP を実行した後など）。

/dev/lxd API の Location フィールド ¶

/dev/lxd API にアクセスできるゲストは、LXD クラスター上で実行されているとき、どのサーバー上で実行されているかを知ることができるようになりました。これは、ピアが同じホスト上で動作しているかどうか（つまり同時にダウンする可能性があるかどうか）がわかるようになり、インスタンス内で高可用性サービスを設定するのに役立ちます。

root@shell01:~# curl -s --unix-socket /dev/lxd/sock lxd/1.0 | jq .location
"abydos"

lxc config trust list コマンドの新たな type と name カラム ¶

LXD 4.14 で証明書タイプとして server が追加されたのを受けて、証明書ごとにカスタマイズ可能な名前とタイプを表示できるように lxc config trust list の出力の再実装を行いました。

stgraber@castiana:~$ lxc config trust list
+--------+--------------------+----------------+--------------+------------------------------+------------------------------+
|  TYPE  |        NAME        |  COMMON NAME   | FINGERPRINT  |          ISSUE DATE          |         EXPIRY DATE          |
+--------+--------------------+----------------+--------------+------------------------------+------------------------------+
| client | nsec-ansible01     | root@ansible01 | f256b2ab81a0 | Mar 21, 2021 at 6:50pm (UTC) | Mar 19, 2031 at 6:50pm (UTC) |
+--------+--------------------+----------------+--------------+------------------------------+------------------------------+
| client | stgraber-ansible01 | root@ansible01 | 58ea2754fe55 | Dec 16, 2020 at 3:07am (UTC) | Dec 14, 2030 at 3:07am (UTC) |
+--------+--------------------+----------------+--------------+------------------------------+------------------------------+
| server | abydos             | root@abydos    | 1a9ab6d52b76 | Dec 14, 2020 at 5:58pm (UTC) | Dec 12, 2030 at 5:58pm (UTC) |
+--------+--------------------+----------------+--------------+------------------------------+------------------------------+
| server | langara            | root@langara   | e3e4701ef455 | Dec 14, 2020 at 5:58pm (UTC) | Dec 12, 2030 at 5:58pm (UTC) |
+--------+--------------------+----------------+--------------+------------------------------+------------------------------+
| server | orilla             | root@orilla    | d015dc8484da | Dec 14, 2020 at 5:58pm (UTC) | Dec 12, 2030 at 5:58pm (UTC) |
+--------+--------------------+----------------+--------------+------------------------------+------------------------------+

データベースのスタンバイサーバーとして動作しているクラスターメンバーが確認可能に ¶

LXD クラスターでは、最初の 3 つのサーバーがデータベースサーバーとして動作します。そして、その次の 2 つがスタンバイデータベースサーバーとして動作し、残りのサーバーはクライアントとしてだけ動作します。そしてマシンの増減に応じてクラスター内で動的に役割を切り替えます。

この動きは変わっていませんが、どのサーバーがスタンバイデータベースサーバーであるかを知ることができるようになりました。
データーベースに参加しているサーバーはすべて、lxc cluster list で database フラグが YES に設定され、lxc cluster show を実行すると、ロールリストに database または database-standby のいずれかが表示されるようになりました。

lxc monitor --pretty がライフサイクルイベントをサポートしました ¶

すでに --type=logging でサポートされていたのと同様に、lxc monitor --type=lifecycle のコンパクトバージョンが --pretty フラグで利用できるようになりました。

stgraber@castiana:~$ lxc monitor --type=lifecycle --pretty
INFO[06-04|13:34:46] Action: instance-restarted, Source: /1.0/instances/redoc

lxc publish への新しい --expire フラグの追加 ¶

lxc publish で、新たにタイムスタンプを使った --expire フラグが使えるようになりました。
このフラグは、インスタンスのイメージメタデータに既に存在する有効期限を上書きするために使います。　

Requestor がライフサイクルイベントをを記録するようになりました ¶

ライフサイクルイベントが新たに requestor セクションを持つようになりました。ここで、プロトコルと、アクションを実行したユーザー情報が提供されるようになりました。

location: none
metadata:
  action: instance-restarted
  requestor:
    protocol: unix
    username: stgraber
  source: /1.0/instances/redoc
timestamp: "2021-06-04T13:33:05.33764627-04:00"
type: lifecycle

メインの API エンドポイントでのプロキシーヘッダーのサポート ¶

新たな設定オプション core.https_trusted_proxy が追加されました。この設定には、LXD API のフロントに存在するリバースプロキシーサーバーを、カンマ区切りの IP アドレスのリストとして設定できます。

これにより、LXD クラスターの前面に HAProxy のようなプロキシーサーバーを置くことができるようになり、LXD のログでクライアントの IP アドレスが確認できるようにしたまま、クラスター全体にリクエストを送出できるようになります。

REST API がすべて swagger でカバーされるようになりました ¶

REST API 全体へのメタデータの追加が完了しました。従来のマークダウン形式の API ドキュメントを廃止し、Swagger 仕様へ変更しました。

そのドキュメントはこちらにあります: https://linuxcontainers.org/lxd/api/master/

すべての変更点（翻訳なし）¶

このリリースでの完全な変更点のリストは次の通りです:

試用環境 ¶

この新しい LXD リリースは私たちの デモサービス で利用できます。

ダウンロード ¶

このリリースの tarball は ダウンロードページ から取得できます。

ビルド済みバイナリーは次のように使えます:

• Linux: snap install lxd
• MacOS: brew install lxc
• Windows: choco install lxc